オリオン座のおやじブログ

おやじ目線で「マネジメント」を中心に考えます・・・

ジョブ型雇用について考える(4)(日立の事例2)

ジョブディスクリプション

前回に続いて、日立製作所のHPから、人材統括本部の髙本氏と一橋ビジネススクールの楠木教授の対談の第2回です。

タイトルは、『ジョブディスクリプションからは見えてこない「ジョブ」』となっています。

この第2回目の対談内容は実に面白い?内容です。つまり、楠木教授が実例をあげながら、仕事の本質的な課題を提起をしつつ、「ジョブディスクリプション」なんて本当に書けるのか?と言っているのです。

具体的には、最初に「営業職」を例に、営業マンにはそれぞれに独自の「営業スタイル」があるはずと指摘しています。つまり、仕事とは、「業務の内容」(やる事)以上に「やり方」に価値や差別化要因があると言っています。

次に「謝り役」という、通常は「ジョブ」(仕事)としては明記されないが、組織としては重要な機能があることを語っています。

つまり、どちらも、いわゆる「ジョブディスクリプション」で仕事内容(ジョブ)を文書で記述する難しさや限界を指摘しています。

そして、最後にトヨタの事例を挙げて、同じような仕事でも企業によって差があり、それが企業の風土や文化(DNA)であり、その差が重要だとも言っています。

この対談から、楠木教授が「ジョブ型」「ジョブディスクリプション」について深い理解・見識があり、その本質的な課題を ”遠回し” に、しかし非常に解りやすく示していることが分かります。

一方で、対談相手の髙本氏は、楠木教授の指摘に相槌を打つような発言はしつつも、単に聞き流しているように受け取れます。簡単に言えば、反論出来ないのだと思います・・・。

この対談記事を読んで、「日立は、これだけ噛み合っていない対談をよくHPに掲載したな~!!」と半分驚き、半分関心してしまいました。